酒は時に、その背景も
一緒に飲む事も・・・・
今回ご案内する日本酒は山形県長井市で操業する
鈴木酒造店さんの銘柄「土耕ん醸(どこんじょう)」
鈴木酒造店【山形県長井市】
土耕ん醸(どこんじょう) 山廃純米生詰原酒
鈴木酒造店は元々は福島県双葉郡浪江町請戸(うけど)地区で
操業していた蔵元さんでした。
廻船問屋(海運業)を営む傍ら、相馬藩より濁酒製造を許されたのが始まりとされており、 目の前は海という珍しい立地の酒蔵さんでした。
何故に今、山形で酒造りをしているのか?
そのきっかけは3.11、東日本大震災でした。
蔵は津波で土台を残すのみですべて流失。
そしてさらに追い打ちをかけたのは福島第一原発事故の影響。
フクイチから直線距離7キロの同町は一時警戒区域に指定され現在も立ち入ることが出来ない状況です。
一時は廃業も考えたそうですが、継続を決意させたのは検査のために
福島県の試験場預けていた自社の酵母。
この酵母が無事だったとの知らせを受け継続を決意します。
何とか早期の酒造りを再開したかった中、たまたま同時期に廃業予定だった
東洋酒造(山形県長井市)の全株式を鈴木酒造店が取得。鈴木酒造店 長井蔵として
酒造りを再開する事が出来ました。
今も本社の籍は福島県双葉郡浪江町にあり、
心は福島に寄り添いながら操業しております。
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「土耕ん醸(どこんじょう)」は震災前、
鈴木酒造店のサブブランドとして販売されておりました。
熟成をテーマに、耕し手と醸し手が同じ志の元に
その土地ならではの味わいを表現しようと誕生いたしました。
震災後は、風評にあえぐ福島の農家さんの中でも未来志向で確かな姿勢で米造りに励んでいた 福島市の契約農家、丹野氏の協力の元、五百万石を栽培、使用する事となりました。
福島県酒造組合の自主基準で県内酒造原料米は全ての米袋に放射性物質検査が行われ
10bq/kg測定限界値未満の玄米のみを使用しております。
この基準を満たすための土壌整備や栽培確証を得るための
丹野さんの努力と時間の重みがぎっしりと詰まった一本です。
正に前を向いて歩む東北の、福島の「どこんじょう」で出来ています。
濃厚でキメの細やかな酸と程よくスパイシーな味わいに仕上がっております。
常温、燗でお楽しみください!
鈴木酒造店【山形県長井市】
土耕ん醸(どこんじょう) 山廃純米生詰原酒 1800ml:2,940円